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井上咲香《夜は不確かなともだち》

井上咲香《夜は不確かなともだち》
作品番号
25111001
価格(税込)
550,000
(うち消費税相当額 ¥50,000)
頒布グループ(申込期間)
【予告】10月20日発売 11月号「今月のこの作家・この作品」より井上咲香の3点
規格
60F 油彩、天竺綿キャンバス  2025年 (額なし)
曖昧な世界、今日を描いていく

〈美術新人賞デビュー2024〉グランプリ、井上咲香さんの受賞記念展が泰明画廊(東京・銀座)で開催される。受賞作《心の窓》では、独特なタッチによる儚くも力強い人物描写で高い評価を得た。

「ひとの存在」を制作のテーマに据え、その意義を問い続ける作家。
「世界は白黒つかないような曖昧で不確かなことで満ちています。流動的で無常。いい時もあれば、不安はいつもすぐそばにいます。だけど、それがきっと⽣きるということ。⽣と死の大きな命の循環の中で、小さな揺らぎも大切に受け入れて描いていきたいと思っています」
 
現在は、郷里・広島を拠点に、子ども向けの造形教室に勤めながら自身の制作に向き合う日々だ。その中で、新たな素材との嬉しい出会いもあった。
「学⽣の頃から支持体となるキャンバス地の布を色々と試しては模索を繰り返してきましたが、受賞を機に改めて自分の表現に合うものは何かと1年ほど実験を重ねました。そこで見つけたのが、天竺綿のキャンバスです。今までで一番しっくりきました。柔らかいけれど、しなやかで、私の描きたいものと相性抜群。出来ることがぐんと増えたように感じます」
 
滲みやぼかしを効果的に用い、“薄描き”の難しさを痛感しながらも、絵具の表情を⽣み出すよう1点ずつ丁寧に仕上げていく。描かれる人物には、何事も受け入れ、またこちらの心を見透かすような濁りのない純真さが宿る。
 
展覧会タイトル「あわいを視る」には、「物や時間の間、境界線、または、混ざり合うところ、流動的なところに焦点を当てたい」という思いを込めた。100号の大作から小品までの油彩作品ほか、ドローイング作品を展示する予定。「自身の在り⽅を問い、迷い、そして決断をくだし、今日を⽣きていく。不確かで曖昧な姿も受け入れる」という作家の言葉にブレはない。
 
今回の受賞が自信に繋がった。プレッシャーは少し感じるものの、手応えはある。心強い素材との出会いで作家の世界はこれまで以上に広がっていく。



この作品は美術誌「月刊美術」との連動企画です。
2025年11月10日を締め切りに応募を受け付け、複数応募があった作品については抽選して当選者を決定いたします。
作家名
Sa k i ko INOUE
井上咲香
経歴
1993年広島県生まれ。2019年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了。20年第5回星乃珈琲店絵画コンテスト優秀賞(土方明司推薦)。21年第6回宮本三郎記念デッサン大賞展特別賞。23年第8回ArtExhibition瀬戸内大賞グランプリ。24年美術新人賞デビュー2024グランプリ。
展示予定
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